AGA(男性型脱毛症)とは?薄毛や抜け毛の原因と治療法について
目次
「最近、髪の毛が薄くなってきた気がする…」
「朝起きたとき、枕に抜け毛が付着していることが増えた…」
このような悩みを持つ男性は、もしかしたらAGAを発症しているかもしれません。
AGAとは、進行性の男性型脱毛症のことで、放っておくとどんどん症状が悪化してしまう恐れがあります。ですが、近年ではAGA治療の技術も向上し、専門の治療クリニックも全国に数多く設置されています。
この記事では、AGAのメカニズムや原因を解説したのち、どのようにして治療を行うのか紹介していきます。
AGAは「男性型脱毛症」のこと
AGAとは、「Androgenetic Alopecia」の略で、「男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)」のことを指します。
AGAは成人男性にみられる特有の進行性脱毛症で、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなったり、毛が抜けてしまったりする病気です。発症年齢は20代以降と早く、現在日本人男性の3人に1人がAGAだと言われています。
しかも、AGAは進行性の脱毛症なので、放っておくとどんどん進行し、最終的には治療をするのがかなり難しくなるとされています。
次のような症状に当てはまる方は、AGAをすでに発症している可能性が高いかもしれません。「なんとなく」で済ませず、専門クリニックに相談してみてください。
- ・枕元の抜け毛が多くなってきた気がする
- ・髪の毛を洗ったり、乾かしたりするときに抜け毛が多くなってきた
- ・髪の毛が細くなって、ハリやコシがなくなってきた
- ・頭頂部や額の髪が薄くなってきたような気がする
どうしてAGAを発症してしまうの?
どうしてAGAを発症してしまうのでしょうか?それには、男性ホルモンの影響によって正常なヘアサイクルが乱れてしまうことが原因とされています。
男性ホルモンの異常によってヘアサイクルが乱れることが原因
通常、人間の髪の毛には1本1本に寿命があり、「伸びる(成長期)」→「抜ける(退行期)」→「生える(休止期)」といったヘアサイクルを繰り返しています。
実際、私たちの髪の毛は1日に平均100本前後は抜けていると言われているので、髪の毛が抜けること自体は健康上何の問題もありません。
ですが、AGAを発症すると男性ホルモンの一種である「テストステロン」が還元酵素「5αリダクターゼ」によって「悪玉脱毛ホルモン(DHT:ジヒドロテストステロン)」に変換されてしまうとのこと。
このDHTが、毛乳頭にある受容体と結合すると、毛が十分成長する前に抜けてしまうため、抜け毛や薄毛が生じると考えられています。
AGAの進行パターン
AGAは、進行パターンからいくつかの種類に分類することができ、現在ではアメリカの皮膚科医「ハミルトン」氏と、それにさらに改良を加えて現在の形にした「ノーウッド」氏の両名の名前から取られた「ハミルトン・ノーウッド分類」を用いるのが主流とのこと。
ただし、日本ではハミルトン・ノーウッド分類に、皮膚科医の高島医師が考案した「高島分類」を加えて、より日本を含めたアジア人にあった分類に修正されています。
<AGAの進行パターン>Ⅰ型 | AGAの初期症状。生え際が少し後退しているが、あまり見た目に変化がない状態。 |
Ⅱ型 | Ⅰ型よりも生え際の薄毛が進行している状態で、見た目に変化が現れ始める状態。 |
Ⅱ Vertex型 | Ⅱ型に加え、頭頂部の薄毛がO型に進行し始める状態。 |
Ⅱa型 | Ⅱ型に加え、前頭部の薄毛が進行している状態。 |
Ⅲ型 | 生え際の薄毛が進行してM字になっている状態。全体的な髪のボリュームも減少。 |
Ⅲ型 | 生え際の薄毛が進行してM字になっている状態。全体的な髪のボリュームも減少。 |
Ⅲ Vertex型 | Ⅲ型に加え、さらに頭頂部の薄毛がO型に進行して頭皮の露出が目立ち始める状態。 |
Ⅲa型 | Ⅱa型よりさらに前頭部の薄毛が進行して、髪が残っていたM字の中心部分も薄くなっている状態。 |
Ⅳ型 | 生え際が後退し、頭頂部がO型に薄くなっている状態。 |
Ⅳa型 | Ⅲa型よりさらに前頭部の薄毛が進行して、髪が残っていたM字の中心部分も薄くなっている状態。 |
Ⅴ型 | 生え際の後退がより進行した状態。同時に頭頂部も頭皮が完全に露出し始める状態。 |
Ⅴa型 | Ⅳa型よりさらに前頭部の薄毛が進行して、頭頂部の髪の毛も薄くなり始める状態。 |
Ⅵ型 | 生え際から頭頂部にかけて完全に頭皮が露出した状態。 |
Ⅶ型 | 頭頂部からさらに後ろまで薄毛が進行して頭皮が露出した状態。 |
・Vertex:頭頂部
・a(anterior):前頭部
参考文献
AGAは治療できるの?
AGAは、成人男性において見られる特有の進行性脱毛症で、男性ホルモンの変性によって正常なヘアサイクルが乱れることが原因で発症するとされていますが、治療することはできるのでしょうか?
現在、治療技術が大幅に向上したことによって、AGAは医療機関での治療が可能になったようです。
AGAは専門クリニックでの治療がおすすめ
AGAは、医療機関で治療を受けることが可能ですが、中でもAGAを専門に治療するクリニックで治療を受けるのがおすすめです。
AGAクリニックを受診すると、これまでの豊富な治療実績をもとに、患者の症状や重症度を見分け、最適な治療プランの提案をしてくれます。また、症状の改善度に合わせて、その都度必要な治療を追加・削除をしてくれるので、より確実に効果を得られる可能性が高まります。
そして、何より専門クリニックであれば、万が一の事態にも迅速な対応が期待できます。非常にまれではありますが、AGA治療にあたっては下記のような副作用が報告されています。
- ・頭皮のかぶれ・かゆみ
- ・抑うつ症状
- ・性欲減退
- ・勃起不全
- ・呼吸困難
- ・肝機能障害
もちろん、クリニックはこうした副作用が出ないように最善を尽くしますが、万が一発生すると、どれも自分一人で対応するのは難しい症状ばかりです。ですので、すぐに専門医に相談できるAGAクリニックを受診するのが、安全面においても、治療効果の面においても最適な選択と言えるでしょう。
早めの治療が肝心
AGAクリニックを受診する際は、なるべく早めに行くのが良いとされています。
先ほど、悪玉脱毛ホルモン(DHT)が毛乳頭にある受容体と結合することで、抜け毛や薄毛が生じると解説しましたが、現在の医療ではこのDHTの活動を抑制する治療を中心としています。
つまり、DHTの働きがまだ十分でないうちに治療を始めることで、より確実に治療の効果を得られる可能性があるのです。
逆に、DHTの働きによって毛を生み出す毛母細胞が死滅してしまうと、どんなにDHTの働きを抑制したところで、発毛効果を発揮するのは大変難しいとされています。
ですので、毛母細胞が完全に死滅する前に治療を始めるのが大変重要になるのです。
参考文献
AGAの主な治療法は?
実際にAGAクリニックを受診した場合、どのような治療が行われるのでしょうか?現在のAGAの治療法は、大きく次の3種類に分けられます。
- ・薬物療法
- ・注入薬による治療
- ・植毛
それぞれについて詳しく解説しましょう。
薬物療法
薬物療法は、主に薄毛の進行を抑制する内服薬と、発毛を促す外用薬を使用する治療法で、AGA治療の中で最も一般的な方法とされています。
より詳しく解説すると、内服薬は主に錠剤タイプの薬剤を服用することで治療を行うもので、抜け毛予防効果が期待できる「フィナステリド」や「デュタステリド」、発毛を促す「ミノキシジル」などが該当します。
対して、外用薬は患部に直接薬剤を塗布することで効果を発揮する処方薬で、「ミノキシジル外用薬」というものがよく用いられます。
注入薬による治療
注入薬による治療は、皮下注射で有効成分を直接頭皮へ注入したり、成長因子を頭皮に注入したりして育毛を目指す治療法です。
医療機関では、「発毛メソセラピー」や「HARG療法」と言った方法が実施されています。
ただし、こうした注入薬による治療は髪の毛の再生を促す治療法で、AGAの原因であるDHTを抑制する効果は期待できないとされています。ゆえに、投薬によるAGA治療を基本とし、それの補助的な役割で行われることが多いようです。
植毛
植毛は、その名の通り健康な髪の毛を薄毛部位に移植することで、毛髪の再生を目指す方法です。
この方法は、日本皮膚科学会においても生着率は8割と高いことが認められており、AGAの薄毛改善に効果が期待できるとされています。
ですが、実際はかなりAGAが進行した状態、それも投薬治療ではほとんど効果が見られないほどの重症になった場合に行われることが多く、治療に時間もかかり、費用も高額になる傾向にあります。
AGA治療の流れ
AGA治療は、主に次のような流れで行われることが多いです。
- 1.カウンセリング
- 2.医師による診察、血液検査
- 3.治療薬の処方
- 4.月に1回程度の定期検診
まず、クリニックを受診するとカウンセリングが行われます。このカウンセリングは医師が行う場合もあれば、看護師や専門のスタッフによって行われる場合もあります。このとき、大まかな治療プランなどの解説をされるため、治療にかかる費用や副作用、通院頻度など気になることはすべて確認しておくのがおすすめです。
次に、症状の程度などさまざまな要素を総合的に医師が判断し、患者に合わせた治療計画を作成し、薬の処方や処置を行います。
また、AGAは短期間で効果が見られることは少ないとされているため、治療期間中は月に1回程度の定期検診が必要となる場合がほとんどです。この期間に経過を観察し、効果や副作用をみながら最適な治療方針に見直しをしていきます。
上記が、AGA治療の一般的な流れです。具体的な治療期間の長さなどは症状の度合いやクリニックの方針によっても異なるため、詳しくはカウンセリング時に確認すると良いでしょう。
まとめ
今回は、男性特有の進行性脱毛症である、AGAについて解説しました。
AGAは、男性ホルモンの変性によって、抜け毛や薄毛などのトラブルが発生する疾患です。現在の研究では、男性ホルモンがDHTと呼ばれるホルモンに変換されることが原因と考えられており、治療をしなければどんどん悪化してしまうとされています。
そして、AGAは20代以降の成人男性であれば誰でも発症する可能性があるので、症状に心当たりがある場合はなるべく早く治療を始めることが大切です。
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「シルチカ」でAGAクリニックを探してみるよくある質問
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AGAとは何ですか?
AGAは成人男性にみられる特有の進行性脱毛症で、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなったり、毛が抜けてしまったりする病気です。
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最近薄毛に悩んでいるのですが、治療は早めに始めた方が良いですか?
現在のAGA治療は、早く始めれば始めるほど、より高い効果を期待することができるとされています。まずは、お近くのAGAクリニックを探して、カウンセリングを受けることをおすすめします。