目次

コンタクトレンズには使用期間と使用期限がある

はじめに、コンタクトレンズを安全に使用するうえで欠かせない「使用期間」と「使用期限」の違いについて解説していきましょう。

使用期間とは

使用期間とは、開封したコンタクトレンズを何日間使用できるかを示すものです。

ソフトレンズは使用期間を過ぎたら交換する使い捨てタイプが一般的

ソフトコンタクトレンズは水分を含んだ柔らかい素材でできたコンタクトレンズで、1day、2week、1monthといった使用期間を過ぎたら破棄して、新しいものに交換するタイプが一般的です。

3種類それぞれの具体的な装用可能日数は、次の通りです。

2weekや1monthなどの定期交換タイプは、指定された使用期間中は洗浄液によるケアをすれば繰り返し使用することが可能ですが、例えば2weekの場合、期間中1日しか装用しなかったとしても、開封した日から14日間が経過したら廃棄しなければいけません。

ゆえに、定期交換が必要なタイプは交換日を忘れないよう、スケジュール管理が大切になります。

また、1dayタイプは開封したその日中は使用可能ですが、一度目から外してしまったものは洗浄液できれいにしたとしても再装着はできません。したがって、「1dayタイプは1日使って、目から外したら捨てる」と覚えておきましょう。

そして、ソフトレンズには上記のような使い捨てタイプのものとは別に、1年〜1年半使用が可能な長期利用タイプもあります。ただし、ソフトレンズの長期利用タイプは種類が少ないので、使用したい方は眼科医に相談するようにしてください。

ハードレンズの使用期間が長いタイプが一般的

対して、ハードレンズはソフトレンズのように1日や2週間で使い捨てるタイプではなく、長期利用タイプが一般的です。

これは、ハードレンズが水分を含まない硬い素材のプラスチックでできているためで、非常に耐久性に優れ、ソフトレンズと比べてかなり長期にわたって使用が可能になっています。

一般的なハードレンズの使用期間は約2〜3年間で、ソフトレンズと比べるとかなりコストパフォーマンスが良いのが特徴です。

ただし、ソフトレンズと同様、ハードレンズも長期利用する場合は毎日のケアが必須になります。また、どんなに使用期限がまだ残っていたとしても、レンズに傷がついていたり、汚れたりしている場合は使い続けることはできませんので、その際は医師に相談のうえ買い換えるようにしましょう。

使用期限とは

使用期限とは、コンタクトレンズを未開封の状態で保管できる期限のことです。使用期限内はレンズの有効性や性能や安全が保たれ、安全に利用できることを示しています。

コンタクトの使用期限はどこに記載されているか

コンタクト使用期限は、製品パッケージの裏側や、コンタクトを包装しているアルミシールに記載されていると言われています。例えば、次のような文字・マークがある部分をチェックすると、使用期限がわかるそうです。

表記方法はメーカーによって若干の違いがありますが、必ず日付が記載されています。新しいコンタクトレンズを取り出した際には、必ずパッケージやアルミシールに記載されている使用期限をチェックするのが良いでしょう。

ただし、使用期限を超えていない、初めて取り出すといったコンタクトだったとしても、容器にキズがついて保存液が漏れている場合には使用期限を問わず、装用を避ける必要があるそうです。無理に装用した場合、目を傷つけたり眼障害のリスクがあったりと、複数の問題が起きてしまうかもしれません。

またレンズ容器の破損やキズ、保存液漏れなどは、保存状態が悪い場合にも発生します。直射日光が当たる場所に容器をむき出しのまま保管しないこと、荷物を積み重ねるような場所に容器を置かないことを意識することが大切だそうです。

コンタクトの種類ごとの使用期限の違い

コンタクトの使用期限をチェックする際に気を付けたいのが、種類ごとに使用期限が異なるというポイントです。一般的に、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズは使用期限が違うと言われています。参考として、2つの違いを整理しました。

ハードコンタクトレンズは、もともと長期的な利用に向けてつくられている製品です。ソフトコンタクトレンズよりも使用期限が長く設定されている場合が多いと言われています。

ただし、どちらのコンタクトレンズも、使用期限を超えて使用するのは避けてください。目を傷つけたり、眼障害を発症したりと、さまざまなリスクを引き起こすかもしれません。

使用期間・期限切れのコンタクトを使うとどうなる？3つの危険性

使用期間や使用期限が切れていることをわかっていながら、コンタクトを装用しようと考えていないでしょうか。確かにコンタクト製品は安い品ではないので「まだ使えそうなのにもったいない…」と感じる方も多いでしょう。

しかし、使用期間・使用期限切れのコンタクトレンズを装用すると、3つの危険性があります。

性能が著しく低下する恐れがある

コンタクトレンズは、使用期間・期限を超えると徐々に製品性能が低下してしまいます。例えば、コンタクト製品によっては次のような性能が搭載されているのが一般的です。

使用期間・期限を超えると、徐々に各種性能が劣っていくと言われています。よって「保水力が高く乾燥しにくい」と言われていた製品を使うと目が乾燥しやすくなったと感じるかもしれません。また「酸素透過率が高い」と言われていたのに、すぐに目が充血する恐れもあるでしょう。

さらには性能だけでなく素材自体も劣化します。破れやすくなるほかレンズがゆがんだり、固化したりと目のトラブルに発展する場合もあるそうです。特に耐久性という面においては、急激な低下が起こりうると言われています。洗浄した拍子にレンズが破れる場合もあるので十分に気を付けてください。

失明といった目の病気を引き起こす恐れがある

使用期間・使用期限の切れたコンタクトは性能が著しく低下している可能性があるため、無理に装用すると次のような目の病気を引き起こすかもしれません。

紹介した目の病気はほんの一例です。レンズに細菌が付着しやすくなったり、レンズの縁が固まって鋭くなったりして、視力低下に関わる眼障害に悩まされるかもしれません。また傷口から細菌が入り込み、さらなる重大な病気を発症して失明する場合もあるそうです。「容器に入っていたから大丈夫だろう」「誰も触れていないから問題ないだろう」と考える人もいますが、予期せぬ事態に発展する場合があるので十分に注意してください。

未開封であっても期限切れのコンタクトは危険

使用期間・使用期限切れのコンタクトは、たとえ未開封であっても利用してはいけません。なぜなら、性能の低下によって次のような状態に変わっているかもしれないからです。

例えば、変形したレンズを使い続けると摩擦が起こりやすくなり、眼球やまぶたが傷つきやすくなると言われています。またレンズに付着した汚れがキレイに落ちず、細菌が繁殖しやすくなるそうです。さらには細かな隙間から酸素が入り込み、レンズが固くなっている場合があるかもしれません。固化したレンズは鋭さが増しているので、装用時に眼球を傷つける恐れもあるでしょう。

以上より、傷や保存液漏れのない綺麗な状態だからといって、必ずしも安全とは限りません。未開封であったとしても期間・期限切れを確認したら中身を取り出してゴミ箱へ処分するか、コンタクトレンズショップのリサイクルボックスに持っていくのが良いでしょう。

ケア用品の期限切れにも要注意

コンタクトレンズ製品の期間・期限切れと一緒に注意したいのが、コンタクトの洗浄・保存に用いるケア用品の使用期間・期限切れです。ソフトコンタクトレンズの2week・1monthを洗浄・保存する際に利用するケア用品ですが、こちらの製品にも使用期間・期限が設定してあります。

期間・期限切れになるとコンタクトと同様に性能が低下してしまうので、十分に注意してください。もし期間・期限を無視してケア用品を使用すると、レンズを傷める原因になるかもしれません。洗浄液の洗浄効果が薄れて細菌が繁殖したり、保存液の保存力がなくなりコンタクトが乾燥しやすくなったりと、間接的に目の病気を誘発します。

「いつ購入したのかわからないケア用品を見つけた」「使用期間・期限を超えていることに気がついた」という場合には、すぐにケア用品を処分してください。

使用期間や期限を過ぎたレンズを使ってしまったときの対処法

ここまで、コンタクトレンズの使用期間・期限の解説と、期間・期限切れのコンタクトレンズを使用した場合に発生する危険について解説してきました。

それでは、期間や期限が過ぎてしまったコンタクトレンズを使用してした場合は、どうすれば良いのでしょうか？

すぐに外して廃棄する

万が一、使用期間や期限が過ぎたコンタクトレンズを使用した場合は、すぐにレンズを目から外して廃棄しましょう。

期間・期限切れを起こしたコンタクトレンズを装用すると、重大な目の病に発展し、最悪の場合失明の危険があると言われています。「まだ使えそうなのに、もったいない…」と思うかもしれませんが、目の健康を守るためにも迷わず廃棄してください。

同様に、残っている期限切れコンタクトレンズもすべて廃棄しましょう。すべて品質が低下しているので誤って利用しないようにまとめて処分するのが良いそうです。

 

期限切れコンタクトの捨て方

使用期間・期限切れのコンタクトは、レンズ・残っている容器・パッケージによって捨て方が異なります。下表に処分方法をまとめているので、お手元にある期限切れコンタクトを処分する参考にしてみてください。

中でも処分時に注意しなければならないのが、レンズを入れてある容器の処分方法だと言われています。コンタクトレンズ製品のほとんどはプラスチック容器に入っており、各メーカーから容器のリサイクルが推奨されているのが特徴です。

「面倒だからまるごとゴミ箱に捨てよう」と考える人もいますが、時間を見つけてコンタクトレンズショップに設置されている容器のリサイクルボックスに出しに行くことをおすすめします。店舗によっては、リサイクルすると、割引やポイントをもらえる場合もあるそうです。

目に異変を感じたらすぐに眼科を受診する

使用期間や期限が過ぎたコンタクトレンズを使用したことによる目の異変に気づいたら、すぐに眼科を受診しましょう。

目の疾患の中には、自覚症状が乏しいものもあり、発見が遅れると治療が困難になることがあります。

ゆえに、眼疾患は早期発見・早期治療が特に大切です。逆に、疾患の程度が軽い場合、正しく治療をすれば1週間程度で治すことも可能です。

重篤な疾患に発展する前に、少しでも異変を感じたら速やかに眼科専門医を受診してください。

コンタクトレンズの使用期間・期限切れを防ぐ方法

コンタクトレンズの使用期間・期限のチェックを良く忘れてしまう人もいるでしょう。また、後から期限切れに気がつく人もいるはずです。

最後に、コンタクトレンズの使用期間・期限切れを防ぐ方法をまとめました。忘れがちなチェックを習慣化したい人はぜひ参考にしてみてください。

レンズの交換日を忘れないよう使用期間をメモしておく

ソフトコンタクトレンズの2week・1monthタイプなど、定期交換タイプのレンズを装用している人の中には、つい交換日を忘れてしまう人も多いでしょう。

そんな方は、カレンダーやスケジュール帳にレンズの交換日をメモしておくのがおすすめです。目に見える場所に交換日を記載するだけで「そろそろ交換日だな」と気がつけるようになります。

リマインド機能のあるスマホアプリのカレンダー・スケジュール調も利用できるので、把握しやすい方法で交換日や期限を管理するのが良いでしょう。

使用期限が一目でわかるように保管する

使用期限についても、気づいたら過ぎていたということはよくあります。

そうならないためには、コンタクトレンズを保管するときに、使用期限が一目でわかるように保管するのが良いでしょう。

例えば、期限が早いものから使用できるように手前に置いたり、「〜まで」のようなタグを付けておいたりするのがおすすめです。

また、期限切れを起こしていないか、こまめにチェックするのも忘れないようにしてください。

必要なときに必要な分だけ注文する

上記の方法とあわせて、コンタクトレンズを購入するときは必要な分だけ注文するのも有効な方法です。

おそらく、コンタクトレンズユーザーの方は、「◯日分」や「◯ヶ月分」というように、ある程度の日数分のレンズをまとめて購入されるでしょう。

確かに、買い忘れを防げる便利な方法ですが、その反面一気に買い過ぎたせいで使用期限内に使い切ることができないという事態も起こりがちです。

したがって、極端な買いだめは控え、使用期限も考慮した数を注文し、ストックしておくようにしましょう。

コンタクトレンズは使用期間や期限を必ず守ろう

今回は、コンタクトレンズの使用期間と使用期限について解説しました。

使用期間と使用期限は、コンタクトレンズを安全に使用するために欠かせないものです。「1日ぐらい過ぎても…」と考えず、必ず守るようにしましょう。

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よくある質問

Q. コンタクトレンズの使用期限って何ですか？

A.コンタクトレンズが未開封の状態で、レンズの安全性や性能などを保証する期限のことです。

Q.コンタクトレンズの使用期限はどこで確認できますか？

A.ソフト・ハードレンズともに、製品パッケージと個包装のアルミシール部分に「EXP」や「砂時計のマーク」で記載されています。