酸素透過率・酸素透過係数(Dk値)解説!低いとどうなる?目安や選び方【コンタクトレンズのデータ】
目次
コンタクトレンズの酸素透過率(Dk/L)や酸素透過係数(Dk値)についてわかりやすく説明しています。コンタクトレンズの酸素を通す量が低いと目に必要な酸素が不足して、角膜の障害が起こりやすくなってしまいます。装用感にも影響する大切な指数ですので、目安や確認方法は参考になるはずです。
酸素透過係数(Dk値)と酸素透過率(Dk/L)
目の表面にある角膜には、血管から酸素が届いていません。ですから、呼吸をして酸素を直接取り入れています。
したがって、目の表面を覆うコンタクトレンズの酸素を通す力はとても重要です。
このコンタクトレンズが酸素を通す力や量を「酸素透過係数(Dk値)」や「酸素透過率(Dk/L)」で表しています。
ここからは、それぞれの数値が何を意味しているのか、詳しく解説していきます。
酸素透過係数(Dk値)とは
酸素透過係数(Dk値)とは、コンタクトレンズの素材がどれだけ酸素を通せるかを数値化したものです。
このDk値は、コンタクトレンズ素材の中で酸素がどう動くか、どれだけ入り込めるかという2つの性質をもとに計算されています。具体的には、「拡散係数(D)」=酸素の動きやすさと、「溶解係数(k)」=酸素の入りやすさを掛け合わせたものが、Dk値として表されます。
そのため、Dk値が高いほど、コンタクトレンズ素材が酸素をよく通すと言われているのです。
ただし、Dk値はあくまで「素材自体の性能」を示す数値であり、実際に角膜にどれだけ酸素が届くかは、次に紹介する酸素透過率(Dk/L)も合わせて考える必要があります。
酸素透過率(Dk/L)とは
酸素透過率(Dk/LもしくはDk/t)とは、コンタクトレンズを装用した際に、角膜へどれくらいの酸素を届けられるかを数値化したものです。前述で解説した酸素透過係数(Dk値)をコンタクトレンズの厚みで割った数値で表されます。
コンタクトレンズは、素材の酸素を通す力(Dk値)だけでなく、レンズの厚みによっても酸素の通りやすさが変わります。Dk/Lは、こうしたレンズの厚みも考慮して、実際に角膜に届く酸素の量をより正確に示すための数値です。
酸素透過率が低いとどうなる?
酸素透過率が低いコンタクトレンズを使用していると、目に届く酸素が不足して思いがけないトラブルにつながる可能性があります。
コンタクトレンズの酸素透過率は製品によって異なるため、「装用時間」や「使う目的」に応じて、自分の生活スタイルに合ったレンズを選ぶことが大切です。
酸素透過率の目安
終日コンタクトレンズを装用する場合、目の健康を守るためには酸素透過率が少なくとも24 Dk/L以上あることが望ましいとされています。この数値は、コンタクトレンズを装着した状態でも角膜に必要な酸素が届くための最低限の目安として、海外の研究結果をもとに広く用いられている基準です。
ただし、推奨されている酸素透過率は装用時間や使用目的によって異なりますので、目的に応じて選ぶようにしましょう。
たとえば、日中のみ装用するタイプであればDk/Lが24以上で十分とされますが、視力矯正などで就寝時にも装用する特殊なタイプでは、87以上が必要とされる場合もあります。
目の角膜と酸素
目の表面にある角膜は「血管を持たず、空気中や涙に溶けこんだ酸素を取り込む」という性質があります。
角膜は体の中でも特殊な組織で、光を通すために透明な構造を維持しています。この透明性を保つため、角膜には血管が通っておらず、体内の血流から酸素を受け取ることができません。 その代わりに、空気中や涙に含まれる酸素を表面から取り込むことで、酸素の供給をまかなっているのです。
ところが、コンタクトレンズを装用すると酸素の通り道が一部遮られ、角膜が酸素を取り込みにくくなることがあります。このとき、レンズの酸素透過率が低いと、角膜への酸素供給がさらに不足しやすくなるため、注意が必要です。
基準値を下回ると角膜に障害が起こりやすくなる
酸素透過率の低いコンタクトレンズの装用を続け、角膜に酸素が十分に届かない状態が続くと、さまざまな角膜トラブルを引き起こす可能性があります。
中でも、代表的な角膜障害の例として挙げられるのは、角膜付近まで新生される「血管新生」や、老廃物が排出されずに水分がたまる「角膜上皮浮腫」です。
血管新生は、酸素不足を補おうとして新たな血管が本来血管のない角膜にまで伸びてくる現象で、視力低下や充血の原因になります。
一方、角膜上皮浮腫は、水分代謝がうまくいかず角膜にむくみが生じている状態です。視界がかすんだり、まぶしさを感じたりする症状を伴うことがあります。
こうした変化は自覚症状が少ない場合もあるため、知らないうちに角膜に負担をかけてしまうこともあります。コンタクトレンズを選ぶ際は、酸素透過率にもきちんと目を向けることが大切です。
酸素透過率が高いコンタクトを探す方法
目の酸素不足を防ぐ方法として、コンタクトレンズの装用時間をできるだけ短くしたり、DIA(レンズ直径)が小さめのものを選んだりと、日常的な工夫が必要になります。 また、自宅ではメガネに切り替えるなど、目に負担をかける時間を減らすことも大切なポイントです。
しかし、中には「長時間コンタクトレンズを装用しなければならない」「強度近視でメガネは酔ってしまう」といった方もいるでしょう。
そのような場合には、酸素透過率が高いコンタクトレンズを選ぶことで、長時間装用時における目への負担を軽減することが可能です。実際にどのような点に気を付けるべきなのか、詳しく解説していきます。
商品ページやパッケージを確認する
酸素透過率の高いコンタクトレンズを選ぶ際は、通販サイトの商品ページやパッケージに記載されている商品情報をチェックしてみましょう。
通販サイトでは主にデザインや素材など商品情報の下部に、「装用期間」や「着色直径」、「度数」などと並んで、「Dk」や「Dk/L」などの酸素透過性に関する数値や表記が記載されていることがあります。
一方、店舗で販売されているコンタクトを購入する場合は、箱の側面や裏面に小さく記載されていることが多いです。
ただし、日本国内では酸素透過率(Dk/L)や酸素透過係数(Dk値)の表示は法的に義務付けられていないため、すべての製品に明記されているとは限りません。
厚生労働省の「コンタクトレンズ承認基準」では、パッケージや添付文書に記載すべき項目として、「販売名」「ベースカーブ」「レンズの直径(着色直径)」「度数」「使用期限」「レンズ素材の原料成分名」「保存液や着色剤、防腐剤の名称」などが定められています。
しかし、酸素透過性や酸素透過係数に関する数値は含まれていません。
そのため、酸素透過率を基準にコンタクトレンズを選びたい場合は、メーカーの公式情報や商品詳細ページをしっかり確認しておくと安心です。
シリコーンハイドロゲル素材や薄いレンズを選ぶ
目の健康を保つためには、酸素透過率以外に、コンタクトレンズの素材にも注目しましょう。
中でも 「シリコーンハイドロゲル素材」は、従来のハイドロゲル素材に比べて酸素を通しやすい特徴があります。長時間使用しても角膜に十分な酸素を届けやすいとされており、目の負担を軽減したい人にぴったりのコンタクトです。
また、 レンズが薄ければ薄いほど、効率的に酸素が配給される傾向にあります。ただし、酸素の通しやすさは素材や製法によっても異なるため、「薄い=必ずしも高酸素透過率」とは限らない点には注意が必要です。
そのため、より目への負担を抑えるのであれば、「シリコーンハイドロゲル素材」でかつ「薄く設計されたレンズ」を選ぶのが理想的です。
シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズについて詳しくはこちら↓
【目に優しい】シリコーンハイドロゲルとは?従来品との違いも分かりやすく解説酸素透過率が高いおすすめコンタクトレンズ
これまでの解説で、酸素透過率がいかに重要かをご理解いただけたのではないでしょうか。
特に長時間の装用が多い方や、目の乾燥や疲れを感じやすい方にとっては、角膜への酸素供給をしっかり確保できるレンズを選ぶことが重要になってきます。
そこで、酸素透過率が高いとされるものの中から、特におすすめしたいコンタクトレンズを使用期間別にピックアップしました。一日使い捨てタイプ(1day)と2週間交換タイプ(2week)を一つずつご紹介します。
どちらも酸素の通しやすさに優れ、長時間の装用でも目にやさしい設計となっているため、目の負担を減らしたい方にはぜひチェックしていただきたいレンズです。
デイリーズトータル1 30枚入り
水分を逃さない水のグラデーション構造で、朝から夜まで潤いが続きやすいのが特徴。乾きにくく、つけ心地がやさしいので、長時間装用する人や、ドライアイが気になる人にもおすすめです。
使用期限 | 1day | 枚数 | 30枚 |
---|---|---|---|
価格 | ¥3,358(税込) | DIA | 14.1mm |
中心厚 | 0.09mm | BC | 8.5mm |
含水率 | 33.0% | 度数 | ±0.50~-10.00 |
デイリーズトータル1 30枚入りの口コミ①
すごい!とにかくつけてる感じがしない!
(引用元)シルチカ:https://silchika.jp/product/alcon/61/reviewデイリーズトータル1 30枚入りの口コミ②
ネームバリューがあって安心!使い心地もさいこうです!!
(引用元)シルチカ:https://silchika.jp/product/alcon/61/review<2週間使い捨て>2WEEKメニコン プレミオ(近視)6枚入り
高い酸素透過率を持つシリコーンハイドロゲル素材を採用しており、角膜への酸素供給をしっかり確保できる2週間使い捨てタイプのコンタクトレンズです。度数の幅が広く、軽度から強度の近視まで対応できるため、自分に合った度数が見つかりやすいのもポイントです。
使用期限 | 2week | 枚数 | 6枚 |
---|---|---|---|
価格 | ¥1,540(税込) | DIA | 14.0mm |
中心厚 | 0.08mm | BC | 8.3mm |
含水率 | 40.0% | 度数 | ±0.25~-13.00 |
<2週間使い捨て>2WEEKメニコン プレミオ(近視)6枚入りの口コミ①
これは大当たり!付けてる感ゼロで渇きもないので快適です!!!
(引用元)シルチカ:https://silchika.jp/product/menicon/2/review<2週間使い捨て>2WEEKメニコン プレミオ(近視)6枚入りの口コミ②
息子が部活で使用したいというので購入。安いのに付け心地を計算されているので、運動中も違和感なく快適みたいです。
(引用元)シルチカ:https://silchika.jp/product/menicon/2/reviewその他のおすすめ商品はこちらにまとめてあります↓
コンタクトの酸素透過率比較!目に負担が少ないコンタクトおすすめまとめ
酸素透過率は、角膜障害などの目のトラブルを予防するためにも、コンタクトレンズを選ぶ際にぜひ注目してほしい重要なポイントのひとつです。
酸素透過率をひとつの基準にしながら、生活スタイルに合わせてレンズの素材や厚み、装用時間なども含めてバランスよく考えると、自分の目に合ったコンタクトレンズを見つけやすくなります。
コンタクトレンズの購入に迷った際は、【総まとめ】ワンデーコンタクトおすすめランキング☆42部門もチェックしてみてください。「近視用」「乱視用」「遠近両用」「カラコン」などタイプ別に紹介しているので、自分の目に合ったコンタクトレンズがきっと見つかります。
また、シルチカでは、コンタクトレンズを複数のショップで比較し、最も安く販売されている店舗を簡単に見つけることができます。使用期間やメーカー、処方箋の有無などから検索も可能なので、「できるだけ安く購入したい」「コンタクトレンズをどこで買おうか悩んでいる」という方は、ぜひ活用してみてください。

この記事を書いた人シルチカ探偵
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