コンタクトの酸素透過率とは?高いと低いの違いを解説
コンタクトレンズは、付けているだけで目に負担をかけるといわれています。ですので、できるだけ目への負担が少ないものを選びたいですよね。そこでぜひチェックしていただきたいのが、「酸素透過率」です。
そこでこの記事では、コンタクトレンズの酸素透過率について解説し、おすすめのコンタクトレンズを紹介します。
1.コンタクトレンズの酸素透過率って何?
2.どうして酸素透過率が高いと目への負担が少ないの?
3.【比較】酸素透過率が高いのはどっち?
4.迷ったらこれをチョイス
5.酸素透過率が高いおすすめコンタクトを紹介
6.まとめ
7.よくある質問
コンタクトレンズの酸素透過率って何?
まずは、コンタクトレンズの酸素透過率について解説していきます。
酸素透過率(Dk/L)とは
酸素透過率(Dk/L)とは、コンタクトレンズがどれくらい酸素を多く通すことができるのかを数値化したものです。
酸素透過係数(Dk:コンタクトレンズがどのくらい酸素を通す能力)をレンズの厚み(L)で割った値(Dk/L)で表され、数字が高ければ高いほど多くの酸素を通すことを意味します。
参考:コンタクトレンズの酸素透過率とは?「高い/低い」は何を示すのか? | アキュビュー® 【公式】
どうして酸素透過率が高いと目への負担が少ないの?
では、どうして酸素透過率が高い方が目への負担が少ないといわれているのでしょうか?
それは、酸素透過率が高い方が角膜の酸素不足を防ぐことができるからです。
詳しく説明するために、酸素透過率が低いコンタクトレンズが角膜にもたらす影響を踏まえて解説していきましょう。
酸素透過率が低い=角膜が酸素不足に陥りやすい
そもそも角膜とは、目の中央にある直径11mm、厚さ0.5mm程度の円形の組織で、目に入ってくる光を屈折させて網膜上に焦点を合わせ、画像を鮮明に映すレンズの働きを持っています。
この角膜は俗にいう「黒目」にあたり、光を通すために透明で血管を持ちません。その代わりに、涙液に溶け込んだ空気中の酸素を取り入れて呼吸をしています。
ですが、このような角膜にコンタクトレンズをつけると、角膜に蓋をするような形となるため、涙液から酸素を受け取れず目が酸素不足に陥ります。
角膜が酸素不足になることによる悪影響
実際、角膜が酸素不足になると、以下のような障害が生じる可能性があります。
- ・角膜内皮細胞の減少:角膜の透明度を保つ役割を持つ角膜内皮細胞は、一度減ると増えることはない。ゆえに、細胞が極端に減ると、将来的に白内障などの手術が出来なくなってしまう可能性がある。
- ・充血:コンタクトレンズ使用により角膜が酸素不足に陥ると、角膜に酸素を供給しようと血管が拡張して充血が起こる。
- ・新生血管:上記のような充血状態が続くと、周辺から角膜に向かって血管が入り込む新生血管が起こる。この新生血管が角膜の中心まで及ぶと、視力低下を起こすこともある。
- ・感染症:酸素不足に陥った目は免疫力が落ちるため、感染症を起こしやすくなる。角膜潰瘍などを発症する危険性も高く、治療をしても角膜に傷跡が残ることもある。場所によっては、最悪の場合視力障害や角膜移植が必要となる。
参考:262.コンタクトレンズの酸素透過性 | 池袋サンシャイン通り眼科診療所
参考:コンタクトレンズのDk値(酸素透過係数)を比較!高いと何が違う? │アットコンタクト
このように、角膜の酸素不足は角膜に負担をかけるばかりか、将来の視力低下や障害につながる恐れがあります。一般的に、酸素透過率が高いコンタクトレンズの方が目への負担が少ないとされており、終日使用するためには24.1以上の透過率が必要です。ゆえに、コンタクトレンズはパッケージや添付文書をよく確認し、酸素透過率が高いものを選びましょう。
【比較】酸素透過率が高いのはどっち?
ここからは、ソフトレンズとハードレンズ、そして高含水レンズと低含水レンズにおいて酸素透過率が高いのはどちらか、比較していきたいと思います。
ソフトレンズとハードレンズ
ソフトレンズは、水分を含んだ柔らかい素材のプラスチックでできており、目に馴染みやすい特徴があります。
対して、ハードコンタクトレンズはレンズにほとんど水を含まない硬い素材でできています。そのため、ソフトコンタクトレンズに比べて装用時に異物感を生じやすく、慣れるまでに少し時間がかかる場合があります。しかし、目やコンタクトレンズに異常があった場合にはすぐに違和感を覚えるため、すばやく対処することができます。
参考:ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの特徴や見え方の違いについて | アキュビュー® 【公式】
酸素透過率が高いのはハードレンズ
それぞれに特徴を持ったソフトレンズとハードレンズですが、酸素透過率が高いのはハードレンズです。
ハードレンズは、その硬い質感から酸素を取り込む能力は低いと思われがちですが、実はソフトレンズよりも酸素を多く取り込みます。
その理由は、レンズの大きさにあります。ソフトレンズは直径約13.8〜14.5 mmとハードレンズよりも大きく作られています。対して、ハードコンタクトレンズは、直径約8〜9 mmとやや小さいです。
ですが、レンズが大きいということは、それだけ多く角膜に触れることになります。いわば、角膜を覆う蓋が大きくなったイメージです。
ゆえに、酸素透過率が高いものを選ぶなら、ハードレンズの方が良いといえるでしょう。
参考:コンタクトレンズが初めての人におすすめの選び方【素材と特徴を比較】 コンタクトレンズ通販のLENSMODEなら処方箋不要
ただしデメリットも
確かに、ハードレンズはソフトレンズよりも角膜を覆わない分、酸素透過率は高いです。ですが、すべての人にハードレンズが向いているかといえばそうではありません。
ハードレンズは黒目よりも小さいサイズのため、異物感を感じやすいです。また、硬い素材でできているため、つけるのに少々慣れが必要なうえに、つけ心地もソフトレンズに比べると劣るので、使う人を選ぶという側面もあります。
どれが合うかは人それぞれなので、自分の好みや使い心地を鑑みて選ぶようにしてください。
高含水レンズと低含水レンズ
コンタクトレンズを選ぶ指標に、レンズの含水率があります。含水率とは、コンタクトレンズがどれくらいの水分を含んでいるかを表す数値で、含水率が50%以上のレンズを「高含水コンタクトレンズ」、50%未満のレンズを「低含水コンタクトレンズ」といいます。
参考:コンタクトレンズの含水率とは?含水率が高い・低いとは | アキュビュー® 【公式】
ちなみに、上記で紹介したハードレンズには水分が含まれていないため、含水率という概念はありません。ですので、ソフトレンズでの比較になります。
酸素透過率が高いのは高含水レンズ
酸素透過率が高いのは、水分を多く含んでいる高含水レンズです。
高含水レンズは水分が多いため、レンズ内の水分に多くの酸素が溶け込みます。その結果、瞳へ酸素が多く行き届くため、酸素透過率が高くなるのです。
反対に、低含水レンズは水分量が少ないため、瞳へ酸素が行き届きにくくなります。ゆえに、酸素透過率も下がり、目の負担が大きいとされています。
ただしこんな弱点も
高含水レンズは水分量を多く含んでいるのとは裏腹に、目が乾燥しやすいという弱点があります。
そもそも、ソフトレンズは「含水性素材」というスポンジのような素材で作られていて、水分を含んで目へなめらかにフィットするようになっています。ですが、この素材は長時間つけていると時間の経過とともに目の水分(涙)を吸収してしまい、レンズの乾きや目の乾燥、ドライアイの原因になります。
特に、高含水レンズは水分を含みやすく、一度乾くと多くの涙を吸収して目への負担を強めてしまうため、長時間の使用には向きません。
参考:コンタクトレンズにありがちな誤解 - コンタクトレンズ | アイアカデミー
反対に、低含水レンズは水分の蒸発量が少ないため、長時間の使用でも乾きにくいというメリットがあります。
酸素をどれだけ透過するかも大事な指標ですが、コンタクトを使用する時間も考慮して選ぶ必要があるでしょう。
迷ったらこれをチョイス
このように、コンタクトレンズにはさまざまな種類があり、それぞれによってメリット・デメリットも異なります。ゆえに、酸素透過率だけで自分に合ったコンタクトレンズを選ぶのは非常に難しいのが現状です。正直、ここまでの内容を読んでも、結局どれを選べば良いかわからず頭を抱えている人も多いのではないでしょうか?
そこで、コンタクトレンズ初心者や、コンタクトレンズ選びに時間を取られたくないという人に向けて、迷ったらぜひこれを使ってほしいコンタクトの種類をご紹介します。
シリコーンハイドロゲル素材を使用したもの
近年、シリコーンハイドロゲル素材という次世代の素材を使ったコンタクトが増えています。
シリコーンハイドロゲル素材とは、水分をたっぷり含んだハイドロゲル素材と、酸素がよく通るシリコーン素材を合わせてつくられた素材で、主に高含水なソフトレンズに使用されています。
前章でも説明したように、水分を多く含んだソフトレンズは酸素透過率も高く、目に優しくフィットするため使用感も良いのが魅力です。しかし、その反面水分の蒸発も多いため、長時間の使用では目の乾燥を招き、角膜に負担をかけるのが難点でした。
しかし、このシリコーンハイドロゲル素材を使用することで、レンズの含水率を保ちつつ、酸素透過率を高めることが可能になりました。もちろん、使い心地や装用感は変わらず、使いやすいものになっています。
参考:コンタクトレンズの含水率と乾燥対策
参考:コンタクトレンズの知識 | Sincere
ゆえに、コンタクト選びに迷ったときや初めてのコンタクトを選ぶ際には、酸素透過率の高いシリコーンハイドロゲル素材を使ったものを選ぶと良いかもしれません。
酸素透過率が高いおすすめコンタクトを紹介
それではここまでの内容を踏まえて、酸素透過率が高いおすすめのコンタクトを1day、2week、Monthly、遠近両用、乱視(トーリック)の順にご紹介します。商品名とあわせて記載している酸素透過率の数値は、メーカー公式サイトを参考にしています。すべてシルチカで最安値を調べられるので、ぜひ参考にしてお得に購入してください。
1day
まずは、1dayの紹介です。
2week
次は、2weekレンズの紹介です。
Monthly
次は、月ごとに交換するMonthlyレンズのご紹介です。
エアオプティクス EXアクア(アルコン)
デイリーズシリコーンハイドロゲル素材を使ったレンズでは珍しい、1ヶ月使い捨ての商品です。1枚のレンズを1ヶ月間使えるので、1日あたりのコストを大幅に抑えられます。
製品名 | エアオプティクス EXアクア |
---|---|
装用スケジュール | 1ヶ月交換 |
酸素透過率(Dk/L値) | 175 |
含水率 | 24% |
遠近両用
次は、遠近両用タイプです。
乱視(トーリック)
最後は、乱視(トーリック)向けのコンタクトレンズを紹介します。
まとめ
今回は、コンタクトレンズの酸素透過率について解説したのち、おすすめのコンタクトレンズを使用期間やタイプごとにそれぞれ紹介しました。
酸素透過率は、コンタクトレンズがどれくらい酸素を多く通すことができるのかを数値化したもので、数値が高いほど目への負担が少ないとされています。
ですが、一概に酸素透過率が高ければ良いというわけではなく、レンズの硬さや含水率、使用感によってその人に適したコンタクトレンズは異なります。
そして、酸素透過率が高いからといって、決められた装用時間以上使用したり、手入れを怠ったりすると目を傷つけ、視力低下を引き起こす危険性があります。使用する際は付属の添付文書をよく読み、異常があった場合には速やかに医療機関を受診してください。
よくある質問
Q. 酸素透過率とはなんですか?
A. 酸素透過率は、コンタクトレンズがどれくらい酸素を多く通すことができるのかを数値化したものです。
Q. どうして酸素透過率が高いものほど目の負担が少ないのですか?
A. 酸素透過率が高いほどコンタクトが酸素を多く通すため、角膜が呼吸するのを妨げず、負担を減らすことができるからです。
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構成/SILCHIKA編集部

この記事を書いた人シルチカ探偵
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